ボディナミックの基本理念:尊厳とつながり
ボディナミックでは、
人間は、
尊厳(Dignity)
と
相互のつながり(Mutual Connection)
その両者を希求する存在だと定義づけています。
尊厳(Dignity:ディグニティ)
唯一無二の存在としてかけがえのない価値を持っているという、内的な感覚や感情のことで、そしてそれらを尊重して従って生きることを指します。尊厳はそれぞれが独自に成長していくための原動力になります。
哲学者 イマニュエル・カントの言葉
「人間が考えることではなく、人間のうちにあるそのありようが、人間に尊厳を与えている」
相互のつながり(Mutual Connection:ミューチュアルコネクション)
2人以上の人間の親密な人間関係のことを指します。そして、その関係の中で、それぞれが独自性を保っている必要があります。
ある人が言語的/非言語的に、何か体験したことを表現すると、別の人はその人独自の体験をしてそれを表現します。それらを交換し合うことで、お互いが異なっていることを理解します。そして、ともに、新しいレベルの、それぞれの相手に対する、あるいはその関係性についての理解が得られます。例えると、それぞれの人が同心円状の波紋を広げていき、そこで他の人が広げた波紋と触れることで、新しいコンタクトのパターンが作られていくような感じです。
相互のつながりは、個人対個人だけでなく、地球レベルでも存在しています。地球上のすべての生物が、種が異なっていても、互いに影響を与え合って、共存していています。
スピリチュアルな面としては、集合無意識や、生命エネルギーとハイヤーミー(the Higher Me)と呼ばれる、個人の魂のエネルギーとの相互作用も含まれています。
尊厳と相互のつながりって、私たちは、個であり、全体の一部でもある、ということが語られているのではないか、ということに最近思い至り、じんわりと感動しているところです。
ざっくりと欧米の文化は、
「全体の一部である」ことよりも、「個であること」の方が優先されていて、
日本の文化は、
「個であること」より、「全体の一部」であることが優先されてきたと言えると思います。
ということは、またざっくり言いますが、
欧米の人々は「全体の一部になってしまう(=個でなくなる)恐れ」を、
日本の人々は「個になる(=全体の一部でなくなる)恐れ」を持ちやすいのではないでしょうか。
そのバランスを取っていくのに、どの自我機能(心の働き)が成長、成熟したらいいだろう、それに関わる筋肉はなんだろう、じゃあ、それを動かしてみよう、と考えていくのが、ボディナミック的なアプローチです。
この楽しさをたくさんの人にお伝えして、共有できる人が増えたらいいなと思っています。